ロミジュリの音楽が大好きなので、今回、
そのギュルさまがすべて担当されていると聞き、ものすごく期待していました。
重ねて、れおんくんです。
柚希礼音―それは私の中で「完璧なジェンヌ」、大好きです。
スカピンのわずか1か月強の公演で、目をみはる成長ぶりを遂げたのが衝撃でした。
最初はただ気の毒で、物足りなかったショーブランが、だんだん迫力を増し
最後は「鷹のように」でものすごいカタルシスを得られるようになったのです。
ゆみこちゃんのキャリエールしかり、
役者が公演中に変化していくのを見るほど感動することはありません。
さらにロミオを演じたことで、女と思えない怖さ(笑)も消滅し、哀愁も生まれました。私の中で、ロミオはれおん一択。
他の誰がやっても何も感じなかったけど、れおんロミオには胸が焼け焦げてしまう。
その素晴らしさを語ったら、2時間くらい基調講演できそう。
以降、何をやってもカッコいい、何をやっても素晴らしい
常に私はねねちゃんになりきってウットリできるという
れおんは私の中で最強ジェンヌとなりました。
今でも毎回、星組公演を観た後は必ず、柚希礼音世界一!と確信します。
でも、固定ファンになるかどうかはまた別問題。
これもまた不思議な宝塚。
というわけで、れおんがギュル様を熱唱するだけでOK。
公演観る前から成功を確信しておりました。
が…その肝心の曲たちがイマイチでした。。。
2回見てやっと主題歌と、「じょ~せふぃ~じょーせふぃ~」だけは耳に残りましたが、あとは…。
とにかく感想は「お金かかってる、豪華、超大作、密度濃い」
だから、観た後の満足感は確実に得られますが
感動したかと問われると…黙。
星のスカピンを舞台稽古で観たとき、
1幕が終わった時点ですでにショックだったほどなので
それを思うと…感動はなかったです…。
前半は特に、ぎゅーっと濃縮した中身で駆け足も駆け足。
すべての歌詞やセリフに意味がありますので、
神経を集中させて聞いておかないと、話の流れに取り残されます。
明日からの期末テスト範囲は、フランス革命に絡むナポレオンの歴史。
しかしまったく勉強してない高校生が、焦って2時間半で理解しようとする。
そんなイメージで臨むとちょうどいい感じ。
あ~もうあかん。早すぎてついていけないと、ギブアップしそうになると
グランマルモンえまさんと、二世のみっきーが出てきて解説を補足してくれます。
みっきーは上品だし、えまさんも安定の落ち着きでわかりやすいし
空気を変える意味でも、この2人の存在はかなり大きいと思いました。
れおんのナポレオンは、期待に応える野性味あふれたルックスが完璧です。
一度も洗ったことがない軍服が、大砲のにおいやらなんやらで耐えがたいと
ご婦人に言われてしまうという、ヅカ的夢を壊すようなシーンもあるのですが
そんな状況すら素直に納得できてしまう、性別不詳ならぬ完全に男・ナポれおん。
Vシネマに出ても不思議はないバイオレンス感すら漂う。
れおんのカッコよさに比例する、相手役のねねちゃんも私の憧れです。
小さな顔、細長い首、長身…夢のような体形で、顔も可愛い。
ジュリエットも、ぶりぶりシルヴィアも全部全部可愛い!
私はいつでもねねちゃんになりたかった。
しかし、そんな可愛いねねちゃんにも忍び寄る加齢の足音。
今回は2人の子持ち熟女設定がそうさせるのか
髪型もちりちりパーマで、化粧も異様に濃くて怖い。
ほぼ、尼崎のスポクラに通うオシャレなおばちゃんです。
いつもは可愛い容姿に見とれてスルーできていた頭のてっぺんから出る歌声も
おかげで、ダイレクトに耳をつんざき、辛かったです。
そしてこの2人のキスシーンは、いつもリアルすぎて閉口するのですが
今回はそれが何回も何回も出てくるのにも参りました。
互いのルックスもあいまって、エロすぎて目を背けずにいられません。
ロミジュリの鼻すりすりとか天国バカップルダンスも
たいがい見ていられませんでしたが、あれは百歩譲ってまだ可愛い。
今回のはもう…ちょっと…生々しすぎてイヤン。
そんなわけでどうしても気持ちが引いてしまい
恋愛模様にウットリできなかったのも敗因の一つかもしれません。
やはり宝塚はロマンチックでなければ。
ロミオが歌う「恋人と呼んで~ぼくの新しい名前だ~♪」なんて
「何いうとんねん!」と思わず飛びツッコミしたくなるような
コッ恥ずかしい歌詞でさえウットリさせるのが宝塚。
ヅカファンが外部の舞台を見て、いの一番に嫌悪するのが生チューですので
やはり宝塚はどこまでいっても、嘘くさくあってほしいものです。
士官学校の時代から、一番近くにいる後輩マルモンが紅。
ナポレオンとは正反対の性格で、いつも彼を慕ってついていくものの
役職に選ばれなかったりしつつ、客観的な目を持つようにもなり
最後はナポレオンの息の根を止める。ものすごいエエ役です。
情感たっぷりに演じたらこれほど美味しい役はないのではと思うくらいに。
なのに印象が薄い! 薄すぎます!
真風の役に毛が生えたくらいにしか、印象が残りません。
歌も本人比では相当上達したと思いますが、聴かせるにはまだまだですし
ダンスはヘロヘロ。セリフを言う際には、眉を八の字にして
「い」の段を強調するような口の開け方が笑いを誘います。
でも紅の武器は、それを補ってあまりあるキャラクター。
とにかく、オモロ可愛い。
「メイちゃんの執事」「めぐり会い」「紅ファイブ」「紅子」で痛感しました。
あまりに愛おしくて、メイちゃんの後、しばらく憑りつかれてしまったほど。
しかしその方向だけで、大劇場の舞台をもたせるのは厳しすぎます。
将来、確実にトップスターになる人、このままでいいわけがない。
マルモンみたいなエエ役こそ、自分のキャラクターを活かしながら
大きく飛躍できるチャンスです。
自分が開門したことによってナポレオンの人生を終了させるのですから
あの一言で観客の心にズシンと鉄球を撃ち込まねば!
あそこはこの物語1番の名シーンにしなければ!
星組の弊害はいつもここにあると感じます。
あまりにも大きすぎる柚希礼音の存在に、なかなか追いついてこない2と3。
もうそろそろトップと2番手が拮抗する状況にならないといけないのに
いつまでたってもライバル役になれそうにありません。
生え抜きは大事にしてほしいですが、
紅はよその組で修行した方がいいかもと思うようになりました。
真風もしかり。
ルックスだけは早々にトップスターみたいなのに、
いつまでたっても漂う、どんくささとオドオド感。
「ロミジュリの死は真風しかいない」と思うほど素晴らしいのに
なぜ普通の役ではとたんに自信なさげになるのだろう。
真風を見てると、ぱあ~っと明るく幸せな気分に…じゃなく、
退廃の街ブエノスアイレスでコートの襟を立てるでもなく
冬の日本海に佇む昭和枯れすすきな気分になってしまう。
見た目は完璧なんだから、少々技術は発展途上だとしても
もっと堂々としてほしいです。
「あなた、カッコいいんだから!ね?」って揺さぶりながら激励したくなります。
その点、まさおは最強です。
あのどこから湧いてくるのか不思議なくらいの自信を見習うべき。
自信満々もあそこまでいくと、一つの武器です。
真風が殻を破って、オラオラ感が出るようになったら
立派なトップさんになるのではと期待しています。
一方、相変わらず琴ちゃんの幼さはどうしようもなくて
中学生か?と不安になるほど、ぽちゃぽちゃでたぬきみたいな丸い顔。
なんのなんのまだ研5。あと最低でも5年経ってからが勝負ですから!
「女は30越えてから」が持論の私。長い目で見させていただきます。
「ロミジュリ」のベンヴォーリオで「踊りだすぅぅ~」と
「ぎょくざをお~ほおぉぉ」の歌声にやられてしまって以来
私の未来はたぶん琴ちゃんになっていると確信しました。
北翔さんの大和路を聞いたとき以来の予言です。
そのころにはきっと豆だぬきでなくなってるはず!!!(ひどい)
いずれにしても、確かな技術がある、というのは何物にも代えがたい。
あの耳をくすぐる甘い歌声と響き、そしてキレまくるダンス。
「ビールとダンスはキレが命」と断言する私(飲めませんが)には
琴ちゃんに惹きつけられまくりです。
琴ちゃんのダンスはビートがきいた今風のものが最高だと確信していますが
今回の剣を持ったダンスもなかなかのものでした。
飛びながらくるくるっと回る、最近では暁で多用されている
ダンサー限定のソロ見せ場も担当しています。
星組のフィナーレはいつも超カッコいいので、今回の最大の楽しみでもありました。
れおんを筆頭に、琴ちゃんとどいちゃんがどんだけ弾けるのか、
そして愛しの北翔さんがどんな風にキレまくるのか。
SHUN先生に8000円払う気持ちで臨んだのに、あのフィナーレはなんやねん!
このボヤキはのちほどたっぷりと。
まさこさんとしーらんはわりとどうでもいい役です。
まさこさんはまんまどっかで見たことあるような衣装と髪型で
しーらんの外見はかなり相当イケてると思います。
ナポレオンのほかのきょうだい。
如月蓮は、あいかわらず顔芸が緊迫しています。
夏樹れいはガタイのいいミヤルリみたいです。
わかばちゃんは、綺麗な城咲あい。
そして風ちゃん、演技がとても上手な娘役さんです。
あやかの入りブログ見ても、いつも身ぎれいにしてて
あまりの可愛さに毎回感動するのですが
舞台では樹里ちゃんの女装に見える時も…(オイ)。
ねねちゃんの愛人に十碧れいや。
誰かに似てる誰かに似てると思いながら、まだ思い出せません。
そしてもったいぶって残していた北翔さま。
たっぷり語らせていただきますわよ。
ついこの間まで「メリーウイドウ」で脚上げまくってたのに
わずか10日ばかりの稽古でもう大劇場です。
去年1年間は、「オーシャンズ11」「ルパン」「舞踊会」「メリーウイドウ」が
休憩なしに重なりながら続き&スカステ歌番組毎月収録という
労働基準法違反的殺人スケジュールに加え、
毎回違う組に入るストレスもいかばかりか。
いくらなんでも将来の約束がなければここまで頑張れないでしょう。
ご本人もやけに101周年を強調しているので、
そこでトップになれるんかなと信じていますが、
そこまで気力体力が持つのか、心配になってくるほどです。
「メリーウイドウ」は北翔さん渾身の舞台で、本当に素晴らしかった。
忘れられない作品なんて人生そう何度も出会えるものではありませんが
今回はまさにそのひとつといえました。
宝塚の枠を超え、観劇というものの楽しさを素直に全身で感じられ
こんなに感動させてもらってありがとうと、自分の健康にさえ感謝したほどです。
ここまで完成度の高い舞台を見せてもらったら、ある種燃え尽き症候群…。
わずか10日でまたボストンマラソンはさすがに無理なので
篠山ハーフマラソンくらいでええのではないかと。
その点、「眠らない男」の配役はいい塩梅だと思いました。
ところで、一樹さんたちのような本専科じゃない専科というのは
非常に生きにくい立場らしい。
かつて新専科制度というものがあり、その中にいたことがある元生徒さんに
「あれは本当に、本当にしんどかった」と力説されたことがあります。
出演する組の番手バランスを崩してしまわざるを得ないことから
良く思わない人が多いのも無理からぬこと。
そんな中、「よろしくー」と入っていくわけですから、
これはもうある意味、針のむしろです。
今回の星組で全組制覇を完遂しますが、さぞ険しい旅だったに違いありません。
れおんとは昔から仲良しで、ねねちゃんも初めての男(要誤解)が北翔さんです。
舎弟のまさこさんもいるとあって、居心地は良さそうですが
実力云々すべて関係なしに、星の123は強固すぎて入り込むすきはない。
でもそれも仕方ない感じ。
こんなところで割り込んで、波風立ててもいいことなんか一つもありません。
というわけでタレーラン。
ナポレオン軍が実際の123バランスと同じ配役になっていて、
それとは全然違う世界の住人だったことに正直、ほっとしたくらいです。
プログラムを見たら、意表をついたルックスに驚きましたが
舞台で観たら、新鮮でめちゃめちゃカッコいいと思いました。
終始ブルーグレーっぽい色のベール覆っているような影というか
妖しげな雰囲気がいい。
60デニールくらいのタイツもステキです。
ブルドーザーのように突き進むナポレオンを、離れたところから黙って見続け、
ここぞという時に、助言と見せかけ、自分の思い通りに事を運ぶ。
圧倒的な強さを誇るナポれおん率いる白っぽい軍団の流れに差し込む
醤油のようなインパクトがあって、この話にいないと困る存在です。
ちぢれ麺ヘアもお似合いで、若くて美しいし、杖をついて脚は不自由だけど、
それがまた不気味でいい味を出しているんだと思います。
青い若手でも本物の専科のオジサマがやっても、ちょっと違うかったでしょう。
何より、やっぱり上手い!
歌はもちろん発声一つとっても、格が違うのがはっきりとわかります。
スカステで星組の若者たちが
「北翔さんが後から合流して、ひと声発しただけで空気がガラリと変わって、
何事が起こったのかとみんな大騒ぎになった」と話していましたが、
ものすごく想像できるし、納得できました。
出番が少ないとか、1曲まるまる歌うシーンがないとか、銀橋を渡らないとか
フィナーレの群舞での扱いはなんじゃとか、言いたいことは山のようにあり、
こめかみの血管がブチ切れそうなほど腹立っていますが、
それは口にはしないことにしましょう(言うとるやんけ)。
これも星組の体制と、篠山ハーフマラソンと思えば、仕方あるまい。
101周年には毎公演フルスロットルせなあかん体力と経済を維持するためにも
今回はエコ運転で行きましょうぞ。
本題に戻って、
ジョセフィーヌに子どもが出来ないことを延々強調されるのはきつい。
デリケートな問題をオブラートに包むのが得意なはずの小池先生なのに。
特に、温泉がどうのこうののシーンは長すぎると思います。
そして問題のフィナーレです。
紅の銀橋、難しい歌なのでちょっと気の毒でした。
ロケットは羽根と帽子がとても妙ですが、
琴ちゃんのむっちむちの太ももとふくらはぎにばかり目が行きます。
紅と真風のデュエットダンス…残念です。
ゆっくりした振付だから、余計に目立ってしまう。
2人が左右対称となって、片足を後ろに高く上げたり、
片ひざをあげてゆっくり回転する、おなじみの振りが、
途中で一瞬止めてポーズを決める筋力がないために美しく見えない。
炭酸の抜けたコーラみたいです。
せめて銀橋の両端で決める最後の回転くらいビシッと行こうぜ。
その後の群舞も、みんなナポレオン帽子なのが切ない。
こどもの日に新聞で作った兜かぶってんのかと思いました。
踊りにくいしカッコ良くないし、激しく意味不明です。
そしてSHUN先生ではありませんでした、ショックゥ~
羽山先生は大好きなのですが、ここは違う!
本編であまり踊れなかった分、フィナーレは現代風爆発系じゃなきゃ。
なのに2時間で覚えられそうな振り付けで、流れるように終了。
デュエットダンスのねねちゃんは、蜘蛛の巣マントにパンツスタイル。
これも違う! 脚が太く見えるし、尼崎指数をさらに高めてしまう!
なんで最後にキスをする!もうやめて!!!
そんなこんなで、期待を大きく裏切ったフィナーレのあとは
北翔さまが明るくエトワールで登場します。
え、さっきまでナポレオンを冷酷にそそのかしてた人だよね?
突然の爽やかさに動揺してしまう猛烈な違和感は、
芝居での演技のすごさの証明でしょうか。
いつもの笑顔いっぱいエエ人そうな「エアありがとうございました」も
さらなるギャップを高めていました。
とにかく「超大作!」という満足感は強く残るし、
結果的に面白かったと言い切れるのは間違いないのですが、
う~~ん…歴代に名を残す名作かと問われれば…。
この感覚、最初に星組の「オーシャンズ11」を観たときを思い出しました。
「あの場面をもう一度見たい!」「あの曲をもう一度聞きたい!」というのが
ないので、「また行きたい!」とは思わないんです。
でも、再演された花組の「オーシャンズ11」はものすごく感動しました。
複数回観ましたが、何回観ても足りないくらい面白かった。
歴代面白かった作品に絶対あげたいくらい素晴らしかった。
内容の変更なんてほんのわずかだったのに、不思議でした。
ダニーは確実にとむさまの方が似合っていたというのはあるのですが
今回のナポレオンは、れおん以上にハマる人はいないと思うので
ということは、やっぱり小池先生の練り不足だったのかなあと思ったりもします。
消化不良と言うほどひどくないし、決して悪くもないし、むしろ大満足できる。
でも、まったく感動はしない。
そんな感想。
きっと、これから公演しながら練って練って練り直し、東京に行く頃には
大変身を遂げるかもしれません。
それくらい、お芝居って微妙なものなんですよね、きっと。
とにかく、星組は柚希礼音(&夢咲ねね)帝国。
それをまた、まざまざと見せつけられた公演でもありました。
~~~
その後、新人公演を見に行きました。なんと1列目!
私は琴ちゃんに激しくハマってて、北翔さんが退団した次の日に
琴会へ入会しようと思ってるくらい好きです。
新公を録音してきて、琴ちゃんが歌うナポレオンのナンバーだけを抽出して
車にいれたのが昨年1月26日。
あれから1年以上経った今もまだ聞いています。
ここまで飽きなかったCDはないかも?
1年以上、運転時には必ず聞いて、まだ感動する…自分の持久力にも感動します。
ナポレオンって、エエ公演やったやん(オイ)
最初に歌が印象に残らない、とか言ってごめんなさい。
大好きです!
本公演のプロローグとフィナーレも入れてるのですが
北翔さんの「フランスを~」という5文字の素晴らしさにも
1年3か月、感動し続けています。
北翔さんブラボー! 琴ちゃんブラボー!
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