ロミジュリ…大好きな作品です。なんたって、琴ちゃんのファンになったきっかけの作品ですから。ベンヴォーリオが『世界の王』で「踊り出すぅう~」と歌った「ぅう~」で撃たれました。新人公演でロミオもやってましたが、当時はまだ若く、感情におぼれながら演じるのが見ていられませんでした。それに、私の中でロミオはれおんくん一択。まさおもみりおもキムも認めない。れおんさまだけがロミオなのだと、思い込んでいました。だから琴ちゃんロミオは楽しみでも、そこんとこちょっと気になっていましたが、先に発売されたCDだけでそんな心配も一気に吹っ飛びました。当たり前か、てへ。
オープニングは愛のダンスから。さりおはしなやかなダンスでとてもいいのですが、双眼鏡をのぞくとやはり厳しい。厳しすぎる。どんなに老けてもはるこさんが似合うだろうなあと思わずにはいられません。
そして死がからんできますが、ぴー、なんか違う。パンフレットの写真はめちゃくちゃいいのに、なんでこうなるの。髪が80年代の三原じゅん子みたいなオオカミカットというか、ビジュアル系バンドというか、上が盛り上がってサイドは撫でつけつつ下半分がストレートという懐かしい頭デカスタイル。衣装のパンツもブーツインすればいいのに靴の上にかぶせてるので、髪型もあいまって、あまりよくないスタイルがさらによく見えなくて、全然死じゃない。ロミジュリの死といえば真風涼帆氏です。世界で一番死が似合う、むしろ死専科と言ってもいい。そんな真風氏に、せめてメイクだけでも真似ればいいのにと思いました。つーか、あまとが取らなあかん役ですよね、死。
大公はオレキザキ。星組の王様専科なので有無も言わさず決まったと思いますが、その過剰なプレッシャーからか、声がうわずってて、なんか落ち着きがなかったです。偉い人の雰囲気が大事なので、こちらは時間が解決してくれることを期待。
青チームと赤チームの若者たちは、一人ひとり細かくチェックしたいところ。赤チーム筆頭はヒーローです。歌も上手いし、本当なら大公や神父をやってほしいところですが、今や星組のダンスリーダーなので、即決したことでしょう。対する青チームはかなえちゃん。いつもの野獣感は抑え、ロン毛を後ろで一部縛ったポンパドールでジャージきた南大阪ヤンキー姉ちゃんみたいな髪型で、かなえちゃんにしてはおとなし目のルックス。星組を代表する暑苦しいダンサー双璧「ヒーローとかなえちゃん」。ロクモでもくどくて熱くて激しくて胸焼けしまくった2人(褒めてます)が冒頭から活躍して嬉しい。琴ちゃん政権になってダンサーが重用され出した今、きさちんやあまと、さりおや夕渚さん、きみちゃんらがずいぶん使われるようになりました。今回、なんときみちゃんがマジモヒカンにしているではありませんか! 完全に頭半分剃り上げてるんですよ? この心意気(号泣) ロミジュリ青チ
_ームに入ったんやという気合のこの表れ!せおっちと極美も見習えよ(違)
そして、始まる『ヴェローナ』。あの、ダンダン、ダンダン、っていうイントロきくだけで全身に鳥肌が立つほど高揚してくる最初の大ナンバーです。しかし、あ、あれ…?なんか…コーラスが美しくない? かつて琴ベンヴォーリオの「たとえ大公閣下があ~止めに入ったとしてもお~」に毎度、胸を震わせてましたが、今回は、あ、あれ? 全体的に思ったほどの興奮が得られず終わってしまいました。でも、紅さんの「っおう~~~」という空気の抜けた掛け声と比べ、愛ちゃんのはまあまあ締まってたのでよかったです。
コーラスの大事さを痛感しました。宙組のコーラスがすごいとよく言われますが、本当に格が違います。あれを記憶に残すと、星組って…ってなってしまう。かつてみっさまがその下手さに驚いて鬼特訓したと聞きましたが、最近どうなった? 琴ちゃんが優しすぎるのではと不安になってしまうやん。
愛ちゃんティボルト。めっちゃかっこえええええ~~~見た目100点満点です。体格いいから迫力あるし、赤づくめもロン毛も似合ってて、言うことなし。15で女を知ったナイフのような男がピッタリ。今までかなめさんがビジュアル最強だと思ってましたが、愛ちゃんはそこに説得力が加わりました。でも歌うと愛ちゃんなんですよね。もうこれは仕方ない。それにしてもみりおちゃんのティボルトはマジ可愛かった♡
せおっちベンヴォーリオ。大丈夫か。ティボと役替わりのプレッシャーが大きいのか、なんか心ここにあらずみたいな、存在感めちゃ薄でした。琴ロミオと親友なのは現実とリンクしてるのだし、もっとこう、なんとかできるんじゃないだろうか。荒くれ軍団の中でもベンヴォーリオは常識人で、そういうところは合ってるのですが、あまりにも普通の良い人っぽすぎて、歌も腰くだけそうになりました。とほほ。
極美マーキューシオ。歴代音痴枠なのでキャスティングは間違っていません。その通り正しいマーキューシオで、歌がぶっ飛んでました。本気で椅子から転げ落ちそうになりました。そして、刺されて死に絶えていく演技の学芸会感がすごかったです。イケメンというだけで海外ミューはやったらあかんて。とほほ。
極美はおだちんとトレードとかどうかな。お互いの組にいないタイプということで(超自分勝手な説)だって…だって…琴ちゃんの負担が大きすぎるんだもん~~~~
ジュリエット父に天寿さん。ビジュアル最高です。しかしずっと一樹さんがやってた役というのが痛い。聴かせるソロもあるだけに痛い。一樹さんの記憶を消して!
ジュリエット母にあんるちゃん。声量がなくて物足りない。音羽ゆりさんはパンチあったなあ。比較しちゃいかんとわかってても思い出してしまいますね。でもティボルトにねっとり絡むのは上手でした。ロミオ母は安定のなっちゃん、よかったです。
パリスはあやきさん。歌が上手いせいか、そんなにキモイ男に見えなかったです。ベンヴォーリオが早く観たい!
乳母はくらっち。役がないためやむなし、白華れみさんもやってましたね。前回は美城れんさんという超芸達者な方が演じ、その母性が大絶賛されてただけにこちらも気の毒かも。ヒロインを務めてきてた人だけに、割り切るのが難しいでしょうが、歌も上手いし、公演を重ねるうちによくなってくると思います。しかしどうせなら、ジュリエット母をやってほしかったです。
ジュリエットなこちゃん、美しすぎて同じ人間とは思えません。あの透明感とかもう、可愛すぎてありえない。そして歌がものすごく上達しててビックリです。クセが強かったのがすっかり消えて、素直な歌唱で非常に良い。しかし演技はどうしても若さゆえに暴走気味で、怒るシーンとかむっちゃ怖い。動きも大きくて、釣り上げたばかりの魚みたいにビチビチして激しすぎるので、もうちょっと感情を押さえて。もうそれだけ。
そして琴ちゃんです。製作発表の時のイケてなさは世間を震撼させましたが、舞台でもあんまり変わってませんでした(爆)あの髪型は小池先生の指示なんだと思いますが、似合わないことこの上ない。そもそもあの髪型でカッコいい男も見たことがない。だいたいあんなデコだしたらあかん。琴ちゃんは表情によってデコに深いしわが入るのに。でも愛で補完して、いつかきっと慣れるはず(そんなに嫌か)
ワークマンの衣装は、実際にはまあ、ごついけど特に悪くもないって感じでした。その他の衣装もまあまあいいんではないかしら。めっちゃカッコいいわけでもないけど、そんなに不満でもなかったです。そして今回、ヒールはふつうでラッキーも入ってませんでした。それでもなこちゃんとちゃんと身長差があってよかったです。
それでは場面ごとに解説していきましょう(えっ?まだ始まってなかったの?)
登場は、タンポポ吹きながらポエマーな男。この『いつか』おんなじメロディーの繰り返しが飽きてきて途中から早送りポイントなのですが、もうじっくり聞いちゃう、いきなり感動。
『世界の王』
こんな素晴らしい曲ありますか? 何回聞いても感動します。琴ちゃんの弾けるダンスが堪能できます。ワークマンの重い衣装もものともせずクルクルクルクル回っててカッコいい。ここは極美の歌唱がほんとーーーに耳を疑います笑。
こんな素晴らしい曲ありますか? 何回聞いても感動します(コピペ)。
歌詞も好きなんですよ。「君がつまびくギターの音色」「無頼と放蕩に明け暮れたその先に」イケコって本当に言葉のセンスがいいわあ。でもれおんくんの歌聞くと毎回「Brightほうとうに」って、クリープ的なものを山梨県の名物に入れるの?と思ってました。
新人公演での琴ちゃんは入り込みすぎて泣きすぎてえらいことになってましたが、さすが年季も入ったトップスター。仲間を愛しく思う気持ちから、不安がしのびより怯える気持ちが高まっていってラストに向かって急上昇を描いていくドラマ性で聴かせます。最後の「怖いーーー」の熱唱も振り絞り切らず、最後まで響かせてることで、感動の余韻が倍増しています。死にあやつられる影が背後に大きく映し出される演出も欠かせません。
『仮面舞踏会』
黒いアクセントが入った白い燕尾風衣装がステキ! 変な髪型も王子様に見えてくる不思議(ひどい)。なこちゃんの衣装は白黒ベースに唐突なピンクのリボン&スカートがバルーンミニとか難易度高すぎて、変身写真館で絶対一般人が着たらあかんやつ。しかしなこちゃんは抜群のプロポーションでリアルフランス人形よ。
恋に落ちた2人が歌い踊りますが、シンクロ度に毎回驚きます。回転速度も手の動きも足の動きもまったく同じで、いったいどんな練習したらあんなに合うんでしょうか。
『バルコニー』
ロミジュリといえばこの場面。好きなんですが、あまりに甘すぎてべたべたすぎて、苦手な一面もあるというか、人のいちゃいちゃみるのきもいというか、はいりこみきれないというか…。でも、琴なこはもうガッツリ見れる。歌が上手すぎるので、素直にうっとりしてしまう。「恋人と呼んで、ぼくの新しい名前だ」って、そんなこっぱずかしいこと、よう言えまんなあ~と大赤面してたのですが、琴ちゃんの甘いエエ声で歌われたら「なんてロマンチックなことを言われるのですか、あなたは」とむしろ感動し、「薔薇と言う名の花は名前を変えても、香りは変わらない、名前に意味はない」とか「は? 何言うとんねん」と思ってましたが、「ほんとうだわ」と感動し、「変わらない愛を2人で育てよう」とか言われたらもう滂沱の涙。琴ちゃんの美声はまるで耳から脳から胸元まですごくいい香りの風が吹き抜け、あたたかなお湯でジイ~ンと満たされるようなの。そんな声でつむがれると、いい歌がよりいい歌に、感動が何倍にもふくらむのです。
『神父様』
えまさん以外誰も演じられません。ロミオはまだ幼さを残していることが、えまさんを前にすると素直に見れますね。仲間たちといると、マキュベンが頼りなさすぎて(オイ)
『エメ』
こんな素晴らしい曲ありますか? 何回聞いても感動します(コピペ)。
教会に行ったら、琴ちゃんが待っているんですよ。見た瞬間、胸が鋭利なモリでドスッと打ち抜かれる衝撃に立っていることができません。後半で「この宇宙があ~終わるときもお~」と琴ちゃんが合わせるとこ最高。自分でもぜひカラオケで歌ってみたいですが、ジュリエットはとんでもなく高すぎて歌えません。
『ティボルトをやっちまった』
ここの琴ちゃんの衣装がかわいくて好き。相変わらずフードだけど、中が白の上にドレープみたいなカットソーみたいので、ふだんも着れそう。もはやフードに愛着がわいてくる。そしてもう一度『ぼくは怖い』さっきよりも緊迫感が増して色合いを変えてます。
『初夜』
ここもなんかこっぱずかしいのですが、琴ちゃんなら抵抗ない。白いシャツがヅカにありがちなサテン的テロテロじゃなく綿ぽいのがいい。そしてなこちゃんと向かい合う時、右側の横顔メインなので普通の短髪に見えて、あの左側の変な髪が隠れるので「これでええやん」と強く思う(さっき王子様とか言ってなかったか)
『追放された町で』
ズタ袋かついでしっとり歌って歩く。ここもいつも早送りしてたけど、琴ちゃんだからじっくり聞いちゃう。
『霊廟』
ここも「歌なげえな」とちょっと飽き気味だったけど、もちろんじっくり聞くし、感動するし。飽き気味というのは、同じメロディーが何度も登場するからでしょうね。「もうええし」ってなってくるんです。でも琴ちゃんにはならない。
『天国』
ウフフ、アハハの天国バカップルダンスと勝手に呼んでいて、目も当てられないシーンでしたが、琴なこならダンスに見ごたえがあるので、どんなにお茶目にはしゃいでてもいやらしくない。愛と死のキメポーズがあまり美しくなくて切なくなった。
『ショー』
また琴ちゃんの衣装がみんなとあんまり変わらへんやんけ(怒)琴ちゃんらしい「粘りからのキレ!」みたいな振付です。琴ちゃん以外見る余裕は最後までないけど、キメポーズの連続なので、ほかの人は面白いことになってそう。
『デュエットダンス』
またすごい変わったダンス。琴なこしかできない難解デュエダンシリーズ更新です。大階段で歌った後、「ふっ」じゃなく「はー」という小さい吐息。からのフラメンコアレンジ。手足が大変なことになっています。この2人はライバル同士か何かなのか?
とにかく琴ちゃんの歌・演技・ダンスの満足度が半端ないです。それだけに、組子のみなさんと力量の差がありすぎて、ちょっとどうなんだろうとも思ってしまいました。星組は最初の完成度が高くなくて、公演重ねながら成長していくっぽいので、この先に期待ですか。
極美は仕方ないにしても、せおっちにはもうちょっと頑張ってほしい。たぶんティボルトのプレッシャーに、そのことばっか考えてるんちゃうかと思ったりして…。ティボルトが楽しみです(でもベンも頑張れよ!)
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