困ったときのベルばら。100周年だから、またベルばら。
もう~飽きたわ~という声も多いのですが、私は意外と好きです。
水戸黄門並みのマンネリさでも、それが安心でいいんです。
ただ、リニューアルと言うか、時代に合わせたアレンジは必要だと思います。
その視点が「ずれてる」ことが問題なのではないでしょうか。
今回は「オスカル編」。
オスカル・アンドレ編だの、アンドレ編やフェルゼン編だの、
果てはアランやベルナールを主役にした外伝まで登場して、
ベルばらの膨大なエピソードを、小分けして紹介していますが
私はとにかくオスカルがらみのお話が好きなので、
それがいっぱいなら嬉しい。
というわけで、今回はとても期待していました。
前回の雪全ツのちぎオスカルと、
ともみんアンドレがめっちゃめちゃ良かっただけに
超期待しまくりです!!!
まず、小公子・小公女の「ごらんなさい」の定番で幕が上がりますが
和希そらがセンターでソロを歌います。
今回、新人公演の主役をするので、そのお披露目的な意味もあるのでしょうか。
和希は、私の中ではモンチ枠だと思ってたので、
ちょっと、いや、かなり意外でした。
モンチ枠らしく(勝手に決めんな)歌もなかなか上手です。
まーくんを中心として、ちーかいりく愛月あっきーらとひとしきり踊った後
オスカルのドデカイ肖像画がするすると上に上がり
大階段の真ん中にオスカル様が。
今までとは一味違ったオープニングです。
オスカル様の衣装はたぶん新調で、真ん中のいかにも軍服デザインの
線路みたいな模様がなくて、メリーウイドウのみっさまの軍服みたいな
全面デザインって感じのもの。
細いテルさまのお体によくお似合いです。
テルさまは、まず、ヅラがもっさいと思いました。
天辺のボリュームがありすぎるのか?
あと、顔がやけに老けてます。
目の下のやつれと法令線も目立つうえ
目を囲む青いシャドーがウルトラセブンのメガネみたいですし
元祖かなめちゃんやガイチみたいな口紅の塗り方も気になります。
テルさまは美形だと認めておりますので、個人的には残念です。
とにかく顔がやけに男らしすぎるので、
もっと優しいメイクでもいいと思うのですが、いかがでしょうか。
でもファン的に良かったら、いいと思います(他人事)。
まーくんアンドレ。
上田久美子マジックにたやすく引っかかる私は、先日のドラマシティで
ちょっとヤラれてしまいました(たまきち第二弾)
相変わらずつむったまぶたに描いたみたいな大きな目に表情はないし
顔の面積もやたらと広いし、
あんなに体が細いのにほっぺたぷっくりなのですが、
にじみ出る優しさにメロってしまいます。
歌も非常に上達しました。
まーくんって本当にド音痴だったんですよ!!!!
大根で音痴でどうしようもなくて、たまきちなみに許せない人でした。
でも今は、かなり好きです(きっぱり)
アンドレスタイルも似合っていますが、
テル様とはまったくカップルに見えません(きっぱり)
そして本編。
なとりさんのパパと、せーこ、うららなどの姉妹がピーチクパーチク騒ぎます。
6人目は男だと期待したけど女だった。男として育てるぞー。
と、いうのを延々と説明。
モンチが子どもオスカルで登場。
今までのパチモンみたいな子どもオスカルではなく
しっかりとした演技で、きちんと魅せます。
モンチ好きの私はうれしい。
ちなみに顔はまったくオスカルではありません。
衣装も子ども風の赤い上着なのですが
この丈がいやがらせみたいに短くて、ものすごおおおおおく変です。
やっとテルさま登場。
成人になったオスカルさまが衛兵隊に行くと言う話です。
20歳そこそことは思えないアダルトなオスカルさまは、
かいジェローデルに、後を頼む的な話をします。
かいちゃんが最近、謎の爆上げですが、今回もジェロでなかなかの出番多し。
難しいジェロスタイルも似合ってて、すごくイケメンです。
パパが延々と情勢などを説明してくれるものの
いきなり衛兵隊がどうのこうの言われても、
初めて見た人は????だと思うのですが、
そんなことはおかまいなしに話は進みます。
そしていきなり、衛兵隊と出会います。
ブイエ将軍、すっしーさまステキ!
アランはきたろう。
髪をリーゼント?風にしてて、やけにまとまったアランです。
キャラ的にもピッタリだと思うのですが
脚本自体にアランがあまり描き切れてない作りのため、
かなり消化不良な感じ。
なぜか突然、ロザリーが登場して1曲歌い
ピーチクパーチク姉妹の元に来て「夫の伝言をオスカルさまに」って
お前誰やねん、状態です。
今回、いつもに増して、植爺お得意のカーテン前芝居が多くて
主にパパとピーチクパーチク姉妹が状況を説明しまくりなんですが
プログラムみたら「第12場カーテン」などと「カーテン」が
場面名になってるのを初めて知りました。
その数なんと11場面!
これになんの疑問も持たない時点で終わってます。
そして今回、初の目玉場面(違)
国民会議場前に集結する、ちーちゃんベルナールとロザリーと民衆。
あっきーロベスピエール。
しかし会議場には入れないようになっています。
平民は議会に入れねえ!ってことみたいなんですが
そのことに憤るみなさん。
そこへやってきたオスカル様とアンドレと衛兵隊。
強引に開けてやると言うオスカル様に、衛兵隊もアランもみんなも感激。
すっしーブイエが怒って銃殺命令。
「私を撃てええええ」と立ちはだかるオスカル様に
近衛兵士ひきいるジェロが来て、銃殺を阻止する。
という、新場面が導入されたのですが
これがもう、激しくつまらないのなんのって!
議会の扉があかないことは確かに重要な事件なのかもしれませんが
長々やる必要がどこにあったのか、不思議でたまりませんでした。
この事件に怒ったパパが、家に帰ったオスカル様を2回ビンタ。
やめて!オスカルさまに!!!
私服オスカル様は、白ブラウスに髪をひとつにゆるくゆわいて素敵です。
ここでやっとアンドレがかばうことで、出番登場。
アンドレはこれまでもずっと舞台の上にいたのですが
ひたすらいるだけで、またしてもお前誰やねん状態でした。
いきなり「白ばらの人」を熱唱。
アンドレの背景がまったくないので、
初めて見た人にはまたもや???かもしれません。
ベルばらといえば、お決まりのセリフがいくつかありますが
私が最も好きな「お聞きの通りだ」が3回出てきたのは嬉しかったです。
しかしなんと!「少しも早く」は「少しでも早く」に変わっていたのです。
これは革命といえるものではないでしょうか。
今回、退団するちーちゃんはベルナールですが、化粧が濃くて怖いです。
さらに髪型がとっても妙。
もみあげ部分のカールがクルリンチョすぎて、そこばっか見てしまいます。
ちーちゃん…まだまだいてほしかったなあ…
同じく退団のタラちゃんなんて、0系新幹線顔のりく(衛兵隊)の妹役で
盲目なのですが、セリフも出番もほとんどなくて、泣けました。
さらに、退団者れーれ。なんと、ル・ルーです。
これぞ最高に可哀想と思ったのですが、いつも超絶ウザいルルーが
れーれのルルーはめちゃ可愛かった。少し救われました。
これが3人の最後の役なんて…無念!
オスカルは肖像画を描かせていて、画家のエピソードも出てきますが
これもはっきりいっていらないと思いました。
その肖像画がどばばーんとでて、それがなくなると
待望のペガちゃん登場!
初めてコムちゃんが乗ったペガちゃんを見たときは、
ラッキーにも初日だったのですが、あまりのちゃちさに
思わず全然知らない隣の人と一緒にわかちあったほど爆笑したのですが
今回は素直に感動しました。リアルになってたからか?
立派なペガちゃんが羽根をはばたかせて銀橋の上まで来たり
天高く飛んだり、その上には、全身ゴールドのオスカル様。
神々しくて目がつぶれそうでした(笑)。
結局、ほぼ全編リニューアルされた1幕は改悪尽くしの
爆睡確実な内容で、リピは辛いと思わせるほどでしたが
このペガちゃんですべて浄化してしまいました。
ビバ!ペガちゃん!!!
【2幕】
ここからは通常の内容に戻っています。
衛兵隊と踊るシーン。
オスカルがジェロからプロポーズされてると知り
ショックを受けるアンドレ。
カーテンの前で衛兵隊がパリに行くことに、不安をぶつける家族たち。
むだに長い。
ジェロがなぜか「白ばらのひと」を歌いながら銀橋を渡ります。
かいちゃん、歌きっつー。
私の中でジェロは「かしちゃん一択」。
振られてもなお、ひざまづき、手を差し伸べる、あの包容力に
もう~~きゅんきゅんしまくりました。
「叶わぬ恋とわあああんあん、知りいなあがあらあんあん」みたいな
雪組歌唱も素敵だった。
つか、ジェロの歌って、それだよね?
なんで、アンドレの持ち歌を奪う?
アンドレの目が見えないことが衛兵隊にばれてしまうシーン。
一番の感動ポイントの「アンドレ、右だ!」「後ろ!」などと
皆が声で誘導するのナシ。なんでやねーん。
アランがここで銀橋1曲。
オスカルが好きだったんかと推測されるような歌詞。
えーっと…そやったっけ? 知らんがな。
とにかく、キタロウはいいですね。
月組バージョンのマギーくらい、もっと思い切りやらせてあげてほしかった。
ロザリーがオスカルを説得にくるシーンもありますが
みりおん、とことん気の毒です。
でもエトワール、上手でした。
毒殺未遂、今宵一夜もあります。
まーくん、演技も上手になりました。
でもまだテルさま相手には若いような…
その後はバスティーユへのいつもの流れ。
いつみても感動します。
まーくんは橋の上で撃たれて、いったんばったり倒れたのが
新しい演出でした。
最後、オスカルさまが死んだとき、かけよるロザリーが
ベルトを外さなくなっていました。
あれ、すごい気になってたので、なくなって良かったです。
通常はこのあと、2人で馬車の天国シーンですが、
今回はガラッと変わって、バレリーナちゃんたちが踊り、
でっかいバラの花から、白いふりふり衣装のオスカル様登場でした。
そしてフィナーレもガラリとチェンジ。
まーくんときたろうがそれぞれ赤と青の安っぽい
通常男役のロマンチック系衣装で踊るシーンなど。
ロケットも、もういつもの衣装ではなく、白の普通の感じで
ベルばららしさはありません。
何が印象的だったって、薔薇タンをテルさまがオスカルのままやったこと。
オスカルとは微妙に違う金髪ロングで、頭の横にでっかい赤いバラ。
黒いラメのピタピタ衣装にひざ下からビラビラのあるラテン衣装で
どうみてもゴージャスなニューハーフショー(笑)
さらに、黒燕尾までオスカルだったんですよ、奥さん!
しかも髪型が無造作アップで、湯上りのおばちゃんみたいと思いましたが
あ、あれか?漫画で、オスカルがドレス着てパーティー行く
あのシーンのイメージか?
服は黒燕尾。靴もパンプス。
体も男役には補正してません。
まーくんとみりおんと3人で踊る、愛の賛歌。
まーくんがテルさまの髪を解いて、いつものオスカルヘアに。
髪をおろすとまあ…いい…かなあ…
で、男役群舞になるのですが、ここまでのシーンがやたら長かった。
この、黒燕尾を女のままでやるっていうのは、どうなんだろう~…
とりあえず自分の贔屓にはやって欲しくない感じ。
激しくモニョりましたが、黒燕尾をビシッと踊れないテルさまには
むしろこの中性的な感じが良かったのかもしれません。
それにしても、まーくんのカッコよさに驚愕です!!!
ダンサーだとは思ってましたが、黒燕尾のダンスが美しいのなんの。
なんというか、角度というかキメ具合が、胸にガツンと入ってくるんです。
黒燕尾の動きで感動したのは、みっさま以来でしょうか。
みっさまとはちょっとタイプが違いますが
これもええなあ~~~って感じ。
ちぎちゃんのベルばらで感動した息子と、ベルばら未体験のダンナと
母をつれてさっそく4日観に行きます。
私のチケット、もう売ろうかなと思ってましたが、
ペガちゃんとまーくんのダンスだけ観に
我慢して行こうか、みたいな気になりました。
話を一番最初に戻しますが、古き良き作品とはいえ
時代に合わせてブラッシュアップすることは必要だと思います。
でも、今回のは完全に失敗だったと思いました。
「つまらない新しいシーンを追加」
するのではなく
「カーテン前の説明大会をやめて」
「従来ある素敵な数々のエピソードはそのままに、
表現方法だけ今風に変えればいい」
と思うんですけどね。
雪の全ツが良かっただけになあ~。
フェルゼン編ほどではないですが、1幕は睡眠注意。
そんな宙組ベルばらでした。
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