カレーといえば、ものすごく独特な顔で、まとぶをさらに鋭くしたような
500系新幹線みたいだなあと思ってましたが
(りくは0系新幹線)それを生かして誘惑悪魔系がハマり、
個性を伸ばしてきたような気がします。
さらに大劇場公演で踊ってるところを見ると、目線の配り方も
「奥さん、釣り上げまっせ」的な花組テイストをしっかり継承し
セクシーな表情と目力の強さに只者ではない雰囲気を感じる今日この頃。
とにかくどこにいても目が引き寄せられてしまう。
すでにオーラが路線バリバリです。
マイティと同期でオーシャンズまでは同等なイメージがあったのですが、
いつの間にかカレーが抜擢され出して、
今となってはかなりの差がついてしまいました。
そんなカレーの初バウ主演。
相手役が、きらりちゃん・・・て!!!!
きらりちゃんといえば、オサさま帝国時代にキャピキャピ全盛期を誇った
花組美女連(じゅりあ・一花・きらり・さあや・あすか・ゆま・ナル)の1人です。
この中でも特に強力だった3人が残って、いまやお局様として
強権を発動してるわけですが(勝手な想像)
ここにきて、まさかのヒロイン抜擢。
先日のせしるに続く、ずいぶん年の離れたお姉さま…
主演があまりに若いので、ここは落ち着いた実力派でしょうか。
ツルゲーネフの初恋が原作だそうです。
聞いたことありますが、中身知りません。
モスクワ郊外の別荘に、両親(アキラ・一花)と避暑にやってきたカレー。
カレーは父をとても尊敬していて、もらったナイフを宝物にしていました。
ある日、森でとりまきの男たち(マイティ、タソら5人)に
チヤホヤされるきらりと遭遇。
きらりは高飛車な女で、カレーのナイフを取り上げ
「自分とダンスを踊りこなせたら返してやろう」と挑発。
さらに「ダンスで足を踏まれた、足にキスして詫びろ」と非道なたたみかけ。
怒りに震えながらもキスするカレー。
まさか本当にするとは思わず驚くきらり。
この事件で、カレーはきらりに恋をしてしまうのでした。そしてきらりも…。
ちょ!そこまで馬鹿にされて恋するかあ~???
Mか?Mなのか?!! と、思わずウルトラ弾丸ツッコミをしてしまう。
きらりの母・五峰さんは、死んだ夫の残した借金で焦っています。
カレーの家の財産を狙って、一花を怒らせてしまいますが
なぜか、あきらがその借金を肩代わりしようと申し出てくれます。
あきらの狙いは、きらりでした。
自分の落ちぶれを自覚するきらりは、カレーの熱心な告白にも素直になれません。
そこへ食い込んでくるあきら。
ついに体の関係を持ってしまいました。
カレーに夢中な従妹のりりかは、無視されまくりなことにイライラして
「あなたのお父さんはあなたの思ってるような人じゃない」とぶちまけ
そこから、カレーは衝撃の現場を目撃することに…
カレーはとにかくカッコいい!
白い上品なおぼっちゃまスーツを着こなして、スタイル抜群で完璧な貴公子。
極小の細長い顔が男らしく、眉毛の書き方もツボに入りました。
私は特に好みの顔でもないのですが、それでもカッコよさに悶絶せずにいられない。
若さの象徴ぷりケツもたまらない。
特に、ダンスシーンが美しいのなんの!
カレーのダンスはすごいメリハリが効いてて、
時に硬質で、若さゆえの制御できない大胆さがこぼれてみたり、
時にしなやかで、多感な情緒も溢れさせれてみたり。
先日の「かもめ」での琴ちゃんのダンスシーンと同じ感動を味わいました。
ダンスの中に芸術性と、ほとばしる感情が込められていて
技術の高さもさることながら、何か理屈じゃなく圧倒されるものがあるのです。
ダンスで心つかまれたら、ますますカッコよく見えてくるこの不思議。
もう立ってるだけでカッコいい。
1時間くらい心の中で「キャー!カッコいいーー!」と絶叫しまくりでした。
演技もなんの違和感もなく上手いので
どんだけMやねん!と、たびたびのツッコみはあるものの
一途でピュア~な青年っぷりにくすぐられまくりです。
歌いだすと一気に現実に引き戻されるのです(笑)
我慢が必要ですが、ちょっと歌多すぎです。
でもこれから特訓すればうまくなる余地のある声だと思いました。
きらりちゃんもそう。
昔から声がイマイチで歌も下手だったので、何回もある歌のシーンはきつかった。
ただ、可愛らしさにはまったく問題なかったです。
自分の脳裏に「オサさま時代…」というのがどうしてもこびりついてるので
違和感はぬぐえないのですが、
ベテランの余裕の演技は、カレーを大きく包み込んでリードしていました。
あきらがカッコいい!
エロオヤジっぷりをもっともっと加速させたら、
さらにカッコ良くなると思う。
一花の落ち着いた母も素晴らしい…って、きらりちゃんは本来このポジション(笑)
マイティは、きらりをめぐる取り巻きの中では一番のイケメンで
いわばカレーのライバル的存在になってます。
軍人の設定なので軍服を着て、きりっとカッコいいのですが
出番はあまり多くないかも…
なんかもったいないなあ。
タイプ的に花組を出た方が輝ける気もします。
最後まで退屈する暇もなく、舞台に終始惹きつけられました。
カレーのカッコよさと頼もしさは想像以上だったかも。
なんだろう、若いのに全然、文化祭じゃないんです。
それは、たまきちと琴ちゃんの舞台(2人は新人公演も)を見た時も感じました。
通常、若手のバウ公演って「若いし仕方ないよね。よく頑張ってるよ」
という生暖かい見守り系の感想になるのですが
そうじゃなく、きっちり素直にトキめかせてもらえるのです。
見ている私を「保護者」じゃなく、ちゃんと「乙女」にしてくれるのです!
ちゃんと骨太に、オドオドしてなくて(内心は知りませんよ)
男役としての覚悟が出来てる感じがするから、お嬢さんの芸事ではなくなってる。
堂々と舞台に立ち、腹が据わっている風に「見せられる」ことが
もう大物の証なんだと思います。
金やコネがなくても、絶対将来トップスターになる人。
というオーラが見える。
最近、今風だかなんだか知りませんが、ビジュアルばっかり先行し、
ふにゃふにゃ系が主流になっているような気がします。
番手がつけば、皆、それなりに出来るようになってますが
心の奥までガツンと響かせてくれるほどの人って、本当に少ないように思う。
外はどんなにソフトなイケメンでも、中身はビシッとキリッと男らしくなければ
宝塚の男役の伝統も意味なくなります。
外部の人にも堂々と見せられる男役スターがあまりにも少なすぎる!
かつては4番手くらいまで、トップへのせめぎ合いができるほど
人材豊富だったのに、今はどうでしょう?
あまりにいなさすぎて、れおんくんやみっさまが退団したこの先、
もう宝塚に心躍らせて、観劇を指折り数えたり
男役にときめいて、こんな婆でも乙女にしてもらえること
なんてなくなるんだなあ、そういう時代になったのかなあ…と、
すでにあきらめの境地に至っていたほどでした。
そこへ、このたまきち琴カレーの台頭です。
輝く未来を見せてくれました。
これに月城(まだ、ふにゃ系疑惑ぬぐえず)が参加してくれたら
彼女らの時代はなんと頼もしいものになることだろうと
未来の宝塚が心の底から楽しみになってきました!
もうあきらめてたのに、ああ、良かった~~~
宝塚は私の人生に潤いを与え、豊かにしてくれた大切な世界。
どうかいつまでも私をときめかせてほしい。楽しませてほしい。
そう強く強く願うのであります。
だからちゃんと育ててや~劇団!
コメント